上越市(新潟) 高城山(474m) 2022年2月19日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:01 駐車箇所−−7:14 330m峰−−7:34 林道法面を登る−−8:15 高城山 8:30−−8:46 林道−−9:10 青田川渡渉 9:14−−9:20 県道−−9:36 駐車箇所

場所新潟県上越市
年月日2022年2月19日 日帰り
天候薄曇
山行種類積雪期の籔山(たぶん)
交通手段マイカー
駐車場県道除雪終点に駐車
登山道の有無たぶん無し
籔の有無積雪のため不明
危険個所の有無無し
山頂の展望南側が開ける
GPSトラックログ
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コメント得法寺集落から往復。県道362号線は起点から僅かで未除雪となり最初から最後までスノーシューで歩いた。往路は325.7m三角点のある尾根を登り、復路はもっと北側を適当に下って青田川を渡渉して県道に出たが、この一帯の沢は深く切れ込んで積雪期でも沢の中を歩いたり横断するのはほぼ不可能であり、林道を利用して北に移動してから下るべきだった。青田川は場所を選べば水量は少なく登山靴でも渡れそうだったが今回は長靴だったので簡単に渡れた。2日前に大雪が降ったはずだが、雪質は予想に反して締まっており激ラッセルは無かった




県道の除雪終点に駐車 除雪終点の雪山を越える
意外にも県道にはスキー跡あり 高速道路下を抜けて南側の尾根に取り付く
カモシカの足跡 目印。無雪期のものか?
325.7m三角点のある平坦地 三角点西側の330m峰から東を見ている
330m峰から西を見ている カモシカのラッセル跡。すごいパワーだ
林道から西を見ている 高城山東を巻く林道に合流
林道法面をよじ登る 標高370m付近
標高420m付近 山頂直下に雪庇の雪壁が登場。左を巻いた
雪庇を越えると山頂の一角。奥の高まりが高城山山頂 カモシカの足跡
高城山山頂。山頂標識、目印無し 高城山山頂から東を見ている
高城山山頂から南東〜南西の展望
高城山山頂から見た南葉山
下りは青田川目指して適当に下った 自分のトレースを振り返る
これはカモシカのトレース 標高250m付近で杉植林帯登場
標高230m付近 標高210m付近。切れ込んだ谷が登場
分かりにくいが中央に谷がある。歩ける状況ではない 計画変更で北にトラバース。谷を越えるのも苦労
青田川が見えた。もう谷を越える必要はない 標高200m付近
眼下に砂防堰堤登場 青田川。両岸は高さ2m程の垂直の雪壁で渡渉よりやっかい
長靴で楽々渡渉して対岸はこの木を利用して雪壁をよじ登った 左岸から青田川を見下ろす
県道目指してさらに北上 県道にはスキー跡とワカン跡あり
青田川に架かる橋 高速道路の橋の下。ここだけ雪が無い
除雪終点


・そろそろ雪の少ない地方では杉花粉が飛び始めた時期なので私には登れない山が多くなってしまった。この時期は花粉が無い雪のある山しか選択肢が無いが、週末直前に日本海側では記録的な大雪が降って先週以上の地獄のラッセルが待ち受けているのは確実で、下手をすれば山ではなく平地の一般道でも通行が困難な場所も出てきている可能性がある。本当は白山周辺の藪山にでも登ろうと考えていたが無謀であろう。それに天気予報では土曜日は西日本から天気が下り坂で午後には東海以西で雨で、日曜日は冬型に移行して日本海側中心に雨や雪の予報で、どのみち1日か半日しか天候が持ちそうにないので遠出するのは得策ではない。考えた末に近場の上越市の低山に出かけることにした。

・上越市街地西側にはいくつか低山があるが、近場ということもあり後回しにして完全に未踏である。このうちいくつかは城跡で確実に夏道があると予想されるが、いくつかは道が無いと思われた。道がなさそうな山の一つが高城山。南葉山の東側中腹にある山で顕著なピークではなく尾根の途中の肩のような目立たない山。東側中腹を林道が通っているので無雪期はそこから藪漕ぎとなるだろうが、おそらく雪の重みで地面を這う根曲がり木の藪であろう。林道からの距離はそれほど無いので無雪期に登ろうと思えばできないことはないと思うが、せっかくなので雪のある時期に登ることにした。この距離と標高差なら激ラッセルでもなんとかなるだろう。

・上越市は長野から近くて助かる。木曜日に日本海側は大雪になったが金曜日中は天候が回復して路面状況は思ったよりも良好で、国道18号線は無雪状態。長野市から北上すると徐々に周囲の積雪量が増えて信濃町に入る頃には完全に豪雪地帯の様相で、道の両側の雪壁の高さは3m近くに達する個所も。新潟に入った妙高と同じくらいであり、ほぼ積雪ゼロの長野市内とは大違いだった。雪壁が高くなりすぎると道路に崩れ落ちる心配があるのだろう、雪壁の除雪をやっている箇所があり片側交互通行にしていた区間もあった。

・高城山の取り付きは県道362号線とした。問題はこの県道が除雪されているかどうか。除雪されていればラッキーで標高270mで南に分岐する林道起点まで車で上がってから歩けばいいが、除雪されていないようなら得法寺集落から歩くことになる。地図を見る限りは得法寺集落より奥に集落はなさそうなので県道起点から未除雪だろう。カーナビに導かれて県道起点に到着すると、100mほどは除雪されていたがその先は未除雪。最初から歩きが決定した。でも短い除雪区間があるので駐車場所は大丈夫。ぱっと見では新雪はそれほど多くないように見えたので、もしかしたら激ラッセルは避けられるかも知れない。

・朝飯を食って最初からスノーシュー装着で出発。先週の経験で防寒長靴でもスノーシューは大丈夫と確認できたので、今週はルートが短いこともあり防寒長靴を使うことにした。登山靴と違って足が冷えないのが大きな利点だが重いのが難点だ。まずは県道を進むが意外にも県道には新しいスキー跡があり、帰りに青田川を渡って県道に乗った地点でもスキー跡があった。青田難波山に登ったのであろうか。

・雪が無い上信越道高架下は面倒なので土の地面の土手の上をスノーシューのまま通過し、南側の尾根に取付いた。その後は尾根を進めば山頂に到着できる。モフモフの新雪で最初から大苦戦するかと思いきや、平坦地では雪が締ってスノーシューなら全く沈まない区間もあって、予想よりずいぶん楽ができた。この状態から想像すると降雪は木曜までで、金曜日は日差しがあって気温が上がり雪の表面が溶けたようだ。今は薄曇りで日差しは弱弱しいが、予報では日本海側で天気が崩れるのは夜以降のようだ。

・尾根の取り付きだけ傾斜があったが、尾根に乗ればその後は緩やかな傾斜が続く。尾根は完全に積雪に覆われているが、木の生え方や地面の凹凸からしてこの尾根上には道型があるように思えた。地形図では標高190m肩より先で破線が合流している。標高が低く里に近いので道があっても不思議ではない。

・尾根の植生は最初から自然林で、山頂までずっと自然林のままだった。豪雪地帯では他と比較して植林が少ないが一般的で、花粉シーズンでも登れるのが有り難い。小動物やカモシカの足跡があちこちに見られた。

・標高320m付近で松が生えた平坦地が出現し、小ピークの先は細い尾根で下りに変わる。ここは330m峰で現在位置が判明した。地形図ではここから尾根上に林道があるが、地形を見る限りではちゃんと林道が通っているようだった。もちろん積雪で路面状況は不明だ。

・標高320m付近で山腹を巻く林道に合流。地形図の表記通り林道の斜面側は急な法面だが、雪が付いているので強引に突破。雪が無いと結構厳しいかもしれない。尾根の左右を見てみたが簡単に登れるような傾斜の場所は近くに見当たらなかった。

・法面を突破して尾根に上がると傾斜が緩やかになり、これまで同様に明るい落葉樹林帯が続く。振り返って東を見ると平野の先に見える顕著な山は米山や刈羽黒姫山だろう。平野部は積雪で真っ白で先週の富山平野よりも積雪量は多いようだ。前方に見える山は重倉山や南葉山だろう(帰宅後に調べたら重倉山は隠れて見えないはずだった)。森林限界以下なのにほぼ真っ白であり積雪量の多さが分かる。

・前方に雪庇の雪壁が登場し、これを左から巻いて雪庇上に出ると肩のような平坦地で山頂かと思えたがまだ先に僅かな高まりがあり、そこから50mほど先が高城山山頂であった。山頂標識は無く目印も無し。地形図記載だが何とも不遇な扱いだ。それだけ登るる人が少ないということだろう。周囲は落葉樹林だが立木の密度は薄いのでそこそこ展望は得られ、特に南側は場所を選べば木が邪魔することなくすっきりと見渡せる。この界隈で山を登るのは初めてなので見えている山の同定はほとんど分からず、南側の比較的近くに顕著に見えるのが斑尾山だろうと確信できる以外はほ不明。これが糸魚川だったらほとんどの山が分かるのだが。北寄りの風がややあるので南側に僅かに下った箇所で小休止した。

・帰りは往路の尾根を下るよりも東に谷を下って青田川に出た方が距離が短いのでルート変更。往路の積雪状況からして地面が出ている個所はほとんど無いだろうから藪の心配もない。往路の尾根より北側を歩けば広範囲で青田川に下ることができるので細かいルートは気にせず適当に下っていく。唯一の心配事は青田川を渡れるかどうかであるが、この時期なら水量はかなり減っているだろうし長靴なので足首程度の流れまでは問題ないのでどうにかなるだろう。

・下りでは重力により登りよりも自動的にスピードアップするので、踏み下ろす足への加重が大きくなって雪の沈み込みが深くなるが、下りなので大きな問題は無い。途中で進路をやや左に振って谷の中央付近を目指して下っていくと、徐々に尾根が分裂すると同時に思わぬ事態に。地形図からは読み取れないがこの一帯の沢の切れ込み方は尋常ではなかった。両岸は崖状で谷底の幅は細く谷底を歩くのが不可能なだけではなく、谷を横断するのもほぼ不可能だった。おまけに流れが雪に埋もれていない。今の枝尾根を下るとそんな厄介な谷筋へ吸い込まれてしまうので左(北)へトラバースするしかないが、そこに横たわる谷筋も同様で横断可能な場所が限定され、傾斜もきつくて苦労した。これだったら往路を戻るか、山腹を巻く林道を利用して県道まで出てしまえばよかったと後悔。

・深く切れ込んだ谷を2つ越えた尾根の先にはもう枝沢は無く、北へとトラバース気味に斜面を下っていくと青田川が見えてきた。次の問題は渡渉が可能かどうかだ。地形図では破線が川を横断している個所があるが、道があったり橋があるとは思えないので最初から無視。見下ろすと砂防堰堤が2つ連なった付近が現在位置から最も近いのでそちらへと下っていく。川に降りる最後の斜面は急傾斜で、場所を選んで雪が覆った河原へと下った。

・沢音は大きいがどうやら上流側の砂防ダム堰堤を流れ落ちる水音で、本来の水の流れの音ではないようだ。流れに近付くとそれほど水量や勢いはなく、登山靴で渡るのは無理そうだが長靴なら十分対応できそうだ。ただし、どちらの川岸も高さは2m近くある垂直の雪壁で、降りるのはいいが対岸でこれを登るのが厄介そうだ。今回は軽ピッケルがあるので、いざとなったらピッケルで壁の一部を崩してステップを作ってよじ登ることも可能だろう。

・川辺の雪壁の縁でスノーシューを脱ぎ、ザックに括り付けて雪壁を蹴り崩してステップを作って河原に降り立つ。川の深さはそれほどではないが、一部は長靴でギリギリくらいの深さがあるので渡る場所を選ぶ必要はあったが、渡れない箇所より渡れる箇所の方が多いのでそれほど悩む必要はなかった。ジャブジャブと対岸へ渡り、雪壁を登りやすそうな個所を探した結果、上流側の木が生えた個所がいいと判断。ここなら木に掴まって登れそうだ。予想通り、木がいい手がかり、足がかりになってピッケルを使うことなく岸の上に這い上がることができた。

・スノーシューを装着し堰堤のすぐ北側に県道が通っているのでそちらに上がると、出発時に見たスキー跡の上に新しいワカンの跡が追加されていた。これで平坦地のラッセルから解放されて大いに楽をさせてもらった。ワカンの主は除雪終点から最初の200mくらいはつぼ足で歩いていたが、大きく踏み抜いた跡以降でワカンに切り替えていた。

・上信越道の下を潜れば除雪終点の駐車箇所。スキー跡はさらに先へと延びていて、ワカン跡はここからスタートしていた。そして除雪終点には軽トラが1台駐車していて、この主がワカンの足跡らしい。路面に残っていた新雪はあらかた溶けて舗装が見えるようになっていた。


まとめ
 高城山に登るなら往路の尾根コースか、県道から南に分岐する林道に入って適当に斜面に取り付くのがよさそうだ。ここでは谷沿いに登るのは無理そうで、尾根伝いに登るのが確実だ。なお、林道から山頂までそれほど距離が無いので、もしかしたら無雪期でも簡単に登れる可能性はある。

 

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